多くの人が世界につながり共に生きる社会を創ることに貢献したい

横浜YMCA常議員
横浜YMCA国際事業員会委員
丸谷 士都子さん

 私は、2003年から14年間、国際協力NGO地球の木の理事長を務めていました。ネパール、ラオス、カンボジアへの国際協力事業のほかに、他団体と共に朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)への支援を行う「KOREAこどもキャンペーン」や、絵の交換や展示を行う「南北コリアと日本のともだち展」にも実行委員として関わっていました。YMCAとの出会いは、DPRKの報告会を横浜YMCAで開催させていただいた時が最初でした。
 その後、多文化共生関連の事業やかながわ生き活き市民基金などで横浜YMCAと活動する機会を重ね、2018年に常議員に推薦していただきました。YMCAの寛容な心と、自然体で地球上のさまざまな課題に向き合う姿勢に学ぶべきところが多くあると感じています。常議員会では、さまざまな分野にまたがる専門性を持った方が集い、横浜YMCAの運動や事業を力強く支えていることが分かりました。
 2021年に、世界YMCA同盟主催のオンラインセミナーに参加しました。アフガニスタンの難民に向けてYMCAに何ができるかというテーマでした。ゲストスピーカーたちの熱い議論が繰り広げられた中で、カナダYMCAの方は、「支援するというよりも、彼らから多くの価値観を学んでいるので、受け入れるとさらにカラフルな世界になります」と話したことが印象に残っています。カナダでは積極的に「よき隣人として」難民を受け入れています。このように世界につながるYMCA運動には大きな意味があります。私は、日本でも若い人たちを含め、より多くの人が世界の人びととつながり、多様な人が共に生きる社会について考え、行動していけるようにと願っています。
 国際事業委員会では、毎月「グローバルセミナー」を開き、毎回刺激を受けています。私も今年1月にネパールについてのセミナーを担当し、ネパールの「参加型」の取り組みを紹介しました。海外支援はドナーの意向で進められがちですが、住民主体の丁寧な話し合いが成功の要であることを話しました。今後もこれまでの多文化共生やネパールでの経験を活かし、多文化共生社会の実現に貢献していきたいと思います。

(掲載:月刊YMCA News 2023年6月)