次世代担うグローバルな人材養成 YMCAの教育活動に大きな期待

YMCA健康福祉専門学校非常勤講師
厚木YMCA運営委員
生地 裕さん

私と横浜YMCAとの関わりは、30数年前に、厚木YMCAにあるYMCA健康福祉専門学校の非常勤講師をお引き受けした時からです。最初に社会体育科の「法学」の科目を担当しました。今から思えば、法学の授業は、スポーツインストラクターを目指す学生にとって、退屈なものだったと思います。法学部の学生に教えるような硬い内容でしたので、無理もありません。しかし学生と話す機会が増えてくると、彼らの本音も聞け、少しずつですが、授業を事例中心に変え、学生のニーズに即したものにすることが出来ました。教える中で、学生とのコミュニケーションの大切さを学びました。
その後、横浜YMCAの専門学校4校で教える機会に恵まれ、現在も厚木の専門学校と湘南とつかYMCAにある横浜YMCAスポーツ専門学校で、楽しく授業を担当させていただいています。
YMCAの専門学校の特色は、ボランティア活動とリーダー活動にあると思います。専門職として必要な学びとしての授業(カリキュラム)とは別の、YMCA活動への学生の参加、例えばウクライナ支援のような国際協力、地震や豪雨などによる災害支援、世界的ないじめ反対運動としてのピンクシャツデーのような社会的活動への参加は、学生にとっても有意義なものになっています。活動に参加している時の学生の活き活きとした表情や姿に、授業中の彼らとは異なった面を発見することがあります。
YMCA健康福祉専門学校での学びは、2年間または3年間という短い期間ではありますが、学生に大きな影響を与え、社会での活躍につながっていくと思います。以前、入院中の母が、介護福祉士として働いていたYMCAの卒業生に世話になったことがあります。彼女が病室に入ってくると、不安げな母の表情がほころびました。彼女の仕事ぶりに感心し、彼女を誇りに思ったのを覚えています。
現在の厳しく困難な時代にあって、YMCAの多様性の尊重や平和の理念にもとづく活動、なかでも国際的な視野に立てる次世代の人材を育てるYMCAの教育活動は、重要性を増していると思います。私は、これからも何らかの形でYMCAの活動に関わっていきたいと思っています。

(掲載:月刊YMCA News 2023年5月)