過去との向き合いを欠かさず 平和の連鎖を作り続けたい

横浜中央YMCA運営委員
かながわ外国人すまいサポートセンター理事長
裵 安さん

1年間のアメリカでの生活を終え、日本に戻ったのは1993年のことでした。私は、子どもたちの英語を少しでも維持できる方法がないかと考えていました。ママ友からYMCAでリターニークラスがあることを聞き、YMCAの門をたたくことになりました。私自身は、在日外国人の権利と生活を守るための活動や、言葉・生活習慣の違いで困難を抱える外国人へのサポートをする活動、通訳や翻訳の仕事を始めた時期でもありました。

1996年に、横浜YMCAで、上海と光州との三都市YMCA会議を行う際の通訳の依頼があり引き受けました。通訳からアテンドまで数日間を出会いと学びの中で過ごしました。それまでYMCAをキリスト教に基づいた団体が運営する水泳と英語教室としか思っていなかった私の考えは、大きく変わる機会となりました。その後、この縁が韓国語教室や専門学校の講師へとつながりました。1998年に、神奈川県が「外国籍県民かながわ会議」を設置し、私は委員を委嘱されました。議論の中で外国人への入居差別問題が取り上げられました。

県知事への提言にその内容を盛り込みYMCAの協力を得て2001年に「かながわ外国人すまいサポートセンター」を横浜中央YMCAに開設しました。この時期に、横浜中央YMCAの運営委員としてYMCAに携わることになりました。「かながわ外国人すまいサポートセンター」は、20年の活動を積み重ね、2019年11月に、「かながわ弁護士会人権賞」を受賞しました。YMCAとともに朝鮮学校入学応援隊やビビンバネット(神奈川の朝鮮学校と多文化共生を考えるネッワーク)など在日コリアンや朝鮮学校について学ぶ活動を共にし、頼もしく感じています。

私は未来を考える時に、過去との向き合いは欠かせないものだと考えます。また、一人の幸せは常に誰かの幸せとつながるものだと考えています。上海や光州との関係もYMCAが未来を見据え過去との向き合いに目をそらさずに歩みを進めてこそ得ることのできた信頼です。私もYMCAとの信頼と連携の中で人と人との間のボーダーを取り払い、平和の連鎖を作り続ける一員でありたいと思います。

(掲載:月刊YMCA News 2020年12月)