心を癒すキャンプの力で平和を創る心を育みたい

横浜YMCA常議員
富士山YMCA運営委員長
伊藤 直樹さん

私とYMCAの出会いは、1982年に横須賀YMCAの予備校に通ったことでした。横浜市立大学入学後は、横須賀YMCA進学科のアドバイザーとして活動しました。当時、事務所奥の休憩所で、スタッフやリーダー、専任講師、共に働く全ての人が集まり、交流を深めていく中で、健康教育部のスタッフに誘われ、YMCA東山荘や杉の里キャンプ場などのキャンプリーダーとして活動しました。キャンプでの思い出は多くありますが、三つ印象的なことがありました。

一つ目は、長野県霧ヶ峰高原(車山)高原荘で行った横須賀・鎌倉・藤沢YMCA合同キャンプでオーナーの高橋暁さん(南極探検隊に料理のエキスパートとして随行)のモットーである「食事は、子どもたちの好き嫌いがある食べ物をおいしく作り、ひとつ克服して帰してあげたい」という言葉が印象に残っています。

二つ目は、最終日のカウンシルファイヤーにて霧ヶ峰高原キャンプの準備などで、やや協調性が心配されたある女性リーダーが受け持った班の中で知的障がいのある兄を思いやる弟の姿に、メンバー全員が感動してその班のまとまりがとても良くなったことを涙ながらに語っていたシーンにキャンプの可能性を感じました。

三つ目は、横浜青年(YMCA News)に掲載された酒井哲雄さん(日本キャンプ協会名誉会長・元大阪YMCA総主事)が「キャンプはYMCAである。YMCAはキャンプである」と語っておられ、ベトナム戦争で両親と離れ離れになりボートピープルとして心を閉ざしていた兄弟が日本のYMCAキャンプに参加し、キャンプ生活を通して心を開いていったことが紹介されていました。キャンプには人の心を癒す力があることを感じました。

日本のYMCAは、キャンプをはじめて100周年をむかえました。コミック『ゆるキャン△』にも登場した富士山YMCAの運営委員長としての私の夢は、世界の紛争の大きな火種となっているパレスチナとイスラエルの子どもたちや青年たちを富士山YMCAへ招待することです。一緒にキャンプを行うことができたら和解のきっかけとなり、平和を創る心が育まれることにつながっていくと思います。

(掲載:月刊YMCA News 2020年5月)