総主事挨拶

2022年度横浜YMCA基本聖句

「恵みの業をもたらす種を蒔け 愛の実りを刈り入れよ。新しい土地を耕せ。」
(ホセア書 10章12節)

横浜YMCAは、1884年に創立以来、いつの時代にあってもイエス・キリストの生き方に基づき、社会の要請を敏感に感じ、小さくされている人に寄り添うだけでなく、実際の行動を進めてきました。170年以上も前にイギリス・ロンドンでYMCAを創立したジョージ・ウイリアムズが「我々は、いかに少なくではなく、いかに多くの人のために奉仕することができるか」としたように、YMCAが目指す社会課題の解決は、少数でなく多数の人を支援することが必要であると考えています。そのことは、これまでの歴史をつなぎ、150年、200年とYMCAが持続可能な組織として存在していくために必要なことであると思います。

昨年度も、社会における、新型コロナウイルスの感染拡大は、YMCAに大きな影響をもたらしました。集合する人数を制限するために、定員を減らしたクラス運営や行事の分散開催など、YMCAの一体感などをこれまでのように感じる機会が減少しました。そのような中でも、保育園やこども園、学童保育では、子どもたちの安心安全な生活の場として、また高齢者を中心とした介護保険事業や障がい児・者支援事業も社会福祉の重要なインフラとして、共に最大限の衛生管理を利用者・職員・施設に対しての取り組みを行いながら開所し続けました。オンラインの活用をはじめ工夫を加えて今まで以上に「はなれていてもつながっている」ことを実感できるような取り組みをすることができるようになりました。
キャンプ説明会は、オンラインで実施し、参加者に抗原検査キットを配布し当日朝の検査に協力いただくなど、感染対策や、衛生管理、健康管理などに新しい取り組みを加えて実施することができました。

SDGsのゴールよりも先にある横浜YMCA創立150周年(2034年)に向けた、「VISION2034」を2021年から取り組んでいます。YMCAの運動は、産業革命によって引き起こされ、社会課題に気づき、課題解決のために祈り、情熱と正義感をもって積極的に、献身的に取り組んだユースによって生まれました。新型コロナウイルスの影響が社会全般に及ぶ中にあって、横浜YMCAはその影響を受けつつも、すべきことを行うために、できる方法を考え、見つけ、実施・展開していきます。時代の要請を敏感に感じ、新たな土地を耕すように新たな働きのための準備をし、種を蒔くように事業を展開する準備を行い、実りの刈り入れを目指して使命実現への取り組みを続けていきます。

横浜YMCA総主事
佐竹 博

 

VISION2034 横浜YMCA創立150周年に向けた将来計画

 

Ⅰ.【すべての人の「Spirit」「Mind」「Body」が豊かに育まれ自ら「Quality of Life」を向上させていくために-FOR HEALTHY LIVING-】

「子育て子育ち」
① すべての子どもの豊かな成長を支える機会と環境の充実
② 地域力を高め、子育てを地域で支えるプログラムの開発

「生活のクオリティの向上」
③ 健康づくりの機会と環境の充実
④ 一人ひとりのライフステージを地域で支え合うために

Ⅱ.【公正で平和な世界に向けて、ユースが自らの能力を最大限に発揮し、主体的かつ積極的な貢献によって社会を変革し続けるために-FOR YOUTH DEVELOPMENT-】

「ユースエンパワーメント」
⑤ ユースの能力を最大限に発揮するためのユース育成
⑥ ユースの主体的・積極的な活動をサポートする環境の充実

Ⅲ【自然の生命と人間の生命が大切にされる、また協力し合い、支え合いながら、人と社会と地球との調和のとれた持続可能な社会を実現するために-FOR SOCIAL RESPONSIBILITY-】

「社会に貢献」
⑦持続可能な社会と地球共生社会への理解と取り組み
⑧社会課題を共に担うパートナーとの連携強化

【持続可能な社会へ向けて】

横浜YMCAでは、再生可能なエネルギーを使用した電力への変換を進めています。これまでに15の拠点において変換が完了しています。(2020年4月現在)

この取り組みは「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」「つくる責任つかう責任」「気候変動に具体的な対策を」を目指しています。横浜YMCAでは、すべての事業活動を通して、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に取り組んでいます。

※SDGsについては、こちらのページをご覧ください。