総主事挨拶

2019年度横浜YMCA基本聖句

「仕えられるためではなく 仕えるために」
(マタイによる福音書20章28節)

横浜YMCAは、1884年に創立以来、イエス・キリストの愛と奉仕の精神に従い、一人ひとりの命が尊ばれる平和な社会の実現に取り組んで来ました。

今、私たちの社会は、少子高齢化による人口減少社会、そして格差社会が進行し、子どもや高齢者、障がい者、外国につながる人びと、社会的に弱い立場に置かれている人びとの人権が軽んじられるなど、人と人の結びつきが、ますます希薄になりつつあります。また、地球環境の変化による自然災害や紛争などにより、安全や平和が脅かされている人びとが増えています。

横浜YMCAは、未来へと希望をつないでいくために、全国のYMCAとともに掲げた新ブランドスローガンの「みつかる。つながる。よくなっていく。」という体験を一人でも多くの人に届けます。一人ひとりの良くなることが関わる人の喜びとなり、つながりを深め、身近な人の痛みや、社会・世界の課題を他人事から自分事に変える力となって、出会った人を笑顔に変え、喜びが連鎖する「ポジティブネット」のある社会を目指します。

また、YMCAが主要課題としてきた人権や平和、そして環境への取り組みを世界の仲間と連帯して実現していくよう「誰も取り残さない」と提唱するSDGs(持続可能な開発目標)の運動に連なって活動を進めていきます。そして、創立135年目を迎える2019年度も誰もが公平に将来の夢や希望を描ける社会を目指していきます。

横浜YMCA総主事
田口 努

VISION2020では次の三つの基本方針のもとに各事業、各館の中期計画を策定し、2016年度から2020年度に向けた5カ年計画を推進しています。

Ⅰ.【次世代を担う子どもたち、青少年のために-FOR YOUTH DEVELOPMENT-】

私たちは、人口減少社会にあっても、幼い時代から家庭や地域での豊かな人間関係が育まれ、自己肯定感の豊かな子ども達や若者を育むことが社会の基盤となると考え、次世代を担う青少年の育成の働きを強めていきます。

Ⅱ.【 すべての人々の健康的な生活を育むために-FOR HEALTHY LIVING-】

高齢化社会になり、さらに単身世帯が増えていきますが、幼いころから高齢者までの生涯にわたっての健康づくりと人々のとのつながりを構築する生活をめざしたヘルシーリビングの働きを強めていきます。

Ⅲ【人と人、人と地域がつながるために-FOR SOCIAL RESPONSIBILITY-】

平和な世界が、安定、安心した社会を生みます。共に生きる地域社会を目指し社会の課題に応え、地球市民を育成し世界の人々をつなぎ、平和を生み出すよう世界を見つめ地域に生きる豊かな地域社会を育む働きを強めていきます。

【基本聖句について】

創立から135周年を迎える横浜YMCAの使命には、「人々に仕え、ともに助け合っていく世界の実現につとめます」と「人々に仕える」働きが掲げられています。この聖句は、イエスが十字架につけられようとすることが迫っている受難の時期に、弟子たちに語った言葉です。支配者は民を支配し、偉い人は権力を振るうが、本当の偉い人は、仕えられるためでなく、仕えるために生きるのだと語っています。私たちは、決して偉い者でもなく、支配する側にいる者ではありませんが、あらためて、会員、学生、園児など、人びとに寄り添い、その成長のために、それぞれが主体的に参画できる場、「みつかる。つながる。よくなっていく。」場の提供ができるよう、人びとと地域社会に仕えていきたいという思いからこの箇所を基本聖句としています。

さらに、私たちは、日常的にプラスチックなどのごみを排出し、電気や車を使う中でガソリンや石炭を使うことで地球環境を汚し、壊す立場にいます。食品ロスを多く排出し、飢餓に苦しむ国の人びとと分かち合うことができない側にいる国に生きています。それは、いつの間にか自然を支配し、途上国を苦しめる支配者の側にいることになるのではないかと思います。今の生活を続けることは、自然環境や困難にある国の人びとを犠牲にし、仕えさせていることになると考えます。

2019年度は、地球環境を壊し世界の貧困や飢餓を深め格差社会を生み出す立場を変換し、仕える側になるための働きを深めていきたいと思います。そのために地球環境に優しいエネルギーの利用や、ごみの排出、省資源につながる取り組みなど、持続可能な地球社会の開発(SDGs)の働きを日常の中で取り組んでいきます。

つまり、目の前にいる人びとに寄り添うとともに、地球環境、遠くにいる多くの国の人びととのつながりを意識し、仕えられるためではなく、仕えるための働きを進めていきます。

※SDGsについては、こちらのページをご覧ください。